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理科・細胞

Aさんは,植物の根の成長について調べるため,ソラマメを使って観察を行った。次の各問に答えよ。

 

<観察1>

 

(1) ソラマメの種子を水でしめらせた脱脂綿の上に数日置いた。2cmほどに根がのびたとき,Aさんは根のどの部分も同じようにのびるかどうかを調べようと考え,根に2mmごとに印をつけ,図1のように,水でしめらせたろ紙に接するように固定した。

 

(2) 1日後観察すると,図2のように,根の先端に近い部分で,印と印の間隔が大きく広がっていた。Aさんは,根がのびるのは,細胞の数がふえるからなのか,細胞が大きくなるからなのか確かめるため,顕微鏡を使って根の各部分の細胞のようすを観察することにした。

 

(3) 根の大きくのびた部分のうちで,最初に,根の先端の方にある,図2のaの部分を観察したら,図3のように,細胞分裂が行われているのが観察できた。
理科・細胞(都立高校入試)

 

〔問1〕 Aさんは,ソラマメの根の細胞分裂のようすを観察し,細胞分裂がどのように進むかということや,染色体の数について調べた。図3の@〜Bの細胞は,新しい2つの核ができる順を示している。

 

細胞分裂で,新しい2つの核ができるようすと,新しい核にふくまれる染色体の数について述べたものとして適切なのは,次のうちではどれか。

 

ア 染色体は細胞の両端に半分ずつ移動して,新しい2つの核ができる。新しくできる核の染色体の数は,もとの細胞の核の染色体の数の半分である。

 

イ 染色体は細胞の両端に半分ずつ移動して,新しい2つの核ができる。新しく核ができるとき染色体の数がふえて,もとの細胞の核の染色体の数と同じになる。

 

ウ 染色体はそれぞれ縦に2つに割れ,細胞の両端に移動して,新しい2つの核ができる。新しくできる核の染色体の数は,もとの細胞の核の染色体の数の2倍である。

 

エ 染色体はそれぞれ縦に2つに割れ,細胞の両端に移動して,新しい2つの核ができる。新しくできる核の染色体の数は,もとの細胞の核の染色体の数と同じである。

 

〔問2〕 <観察1>において,図2のaで示した部分で,細胞分裂が行われているのが観察できたことから,Aさんは,ソラマメの根ののびるしくみについて,次のように考えた。

 

・根がのびるのは,細胞が大きくなるからではなく,細胞の数がふえ続けるためである。
理科・細胞(都立高校入試)

 

Aさんは図2のa以外の細胞のようすも観察した。その結果,図2のbより根もとに近い部分では図4のような細胞しか観察できなかった。このことからAさんは自分の考えが正しくなかったことに気づき,根がのびるしくみについての考えを修正した。
Aさんが自分の考えが正しくなかったと判断した理由と,根がのびるしくみの正しい説明を組み合わせたものとして適切なのは,次の表のア〜エのうちではどれか。
なお,図3と図4は,同じ倍率で観察した結果を示している。

bより根もとに近い部分を観察した結果,Aさんの考えが正しくなかったと判断した理由

根がのびるしくみの正しい説明

aと比べて細胞は大きくなっていないし,細胞分裂も行っていない。 根の先端の方だけで細胞がふえる。根もとの方では細胞はふえず,細胞は大きくならない。

aと比べて細胞は大きくなっているが,細胞分裂を行っていない。 根の先端の方だけで細胞がふえる。根もとの方では細胞はふえないが,細胞が大きくなる。

細胞分裂は行っているが,aと比べて一部の細胞が大きくなっている。 根の先端の方でも根もとの方でも細胞がふえる。根もとの方では一部の細胞が大きくなる。

細胞分裂は行っているが,aと比べて全部の細胞が大きくなっている。 根の先端の方でも根もとの方でも細胞がふえる。根もとの方では全部の細胞が大きくなる。

 

<観察2>
Aさんは,図2のbの部分を縦に切ったときの断面を顕微鏡で観察した。図5は,観察したようすを表す。図5のcのようなつくりは,茎でも観察できたので,根から吸収された水や養分が葉などに移動する通路であると考えた。

 

理科・細胞(都立高校入試)

 

〔問3〕 図5のcのようなつくりが,根から吸収された水や養分が移動する通路であることを確かめるには,<観察2>を行う前に,ソラマメの根をどのようにしておいたらよいか。方法を1つ,簡単に書け。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解けましたか?それでは解答です。

 

問1 エ  問2 イ  問3 色のついた水につけておく。

 

問1 細胞分裂には,減数分裂と体細胞分裂がある。体細胞分裂は,1つの細胞がもとの細胞の半分の大きさの細胞2つに分裂する。そのとき染色体はそれぞれ縦に2つに分かれるので新しくできた細胞ともとの細胞の染色体の数は同じである。その後分裂でできた新しい細胞は元の細胞と同じ大きさに成長していく。減数分裂は,特別な分裂を行い,染色体の数が半分になる。減数分裂と受精によって,子は両親の遺伝子を引き継ぎ形質が遺伝していく。

 

問2 図3と図4は同じ倍率で観察しているので図4の細胞が大きくまた大きさが均一であることがわかる。また,図3には細胞分裂を終えた細胞や細胞分裂の途中の細胞といったように様々な状態の細胞が存在している。

 

問3 根から吸収された水や養分などが移動する通路を道管という。ソラマメの根がこれから吸い上げる水に色をつけておくと道管が茎のどこに存在するかわかる。

 

 



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